tkinterでplaceを使ってフォーム上にオブジェクトを配置する｜ PythonでGUI作成

2023年10月2日2024年3月29日

PythonのGUIライブラリ、tkinterは、直感的かつ柔軟なインターフェイス作成ツールを提供しています。

中でも、placeジオメトリマネージャは、ウィジェットの配置に関して開発者に細かな制御を可能にし、視覚的に魅力的なUIをデザインする際の選択肢となります。

この記事では、placeジオメトリマネージャの基本的な使用方法と、それに関連する主要なパラメータについて解説します。

この記事でわかること

placeジオメトリマネージャの概要
placeジオメトリマネージャで使用できるパラメータの一覧
placeを使ったGUIの実装方法とサンプルコード

tkinterとは

tkinterは、PythonでGUIアプリケーションを作成するための標準ライブラリです。簡潔で直感的なAPIを提供し、初学者でも容易にウィンドウアプリケーションを開発できます。

以下の記事で、tkinterを使った入力フォーム作成を例に詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

tkinterのジオメトリマネージャ placeとは

tkinterのplaceジオメトリマネージャは、ウィジェットを親ウィジェット内の特定の位置に配置します。

ユーザーは、xやyパラメータを使用してウィジェットの絶対位置を指定できます。

また、relxやrelyパラメータを使用して親ウィジェットに対する相対位置を指定することもできます。これにより、ウィジェットは親ウィジェットのサイズ変更に応じて動的に位置を調整できます。

anchorパラメータを使用して、ウィジェットのアンカーポイントを指定できます。

widthやheightパラメータでウィジェットのサイズを、relwidthやrelheightで相対サイズを設定できます。

この機能のおかげで、開発者はインターフェイスのレイアウトを柔軟に制御できます。

placeの主要なパラメータ

placeで使用できる主要なパラメータは以下の通りです。

パラメータ	説明	例	デフォルト値
x	ウィジェットのx座標	`x=20`	0
y	ウィジェットのy座標	`y=50`	0
relx	親ウィジェットの幅に対するウィジェットの相対x座標	`relx=0.5`	–
rely	親ウィジェットの高さに対するウィジェットの相対y座標	`rely=0.5`	–
anchor	ウィジェットのアンカーポイント	`anchor="center"`	“nw”
width	ウィジェットの幅	`width=100`	–
height	ウィジェットの高さ	`height=50`	–
relwidth	親ウィジェットの幅に対するウィジェットの相対幅	`relwidth=0.5`	–
relheight	親ウィジェットの高さに対するウィジェットの相対高さ	`relheight=0.5`	–
bordermode	ボーダーモード（”inside”または”outside”）	`bordermode="outside"`	“inside”

作成したPythonコード

コード解説

メインウィンドウの生成
- tk.Tk()を使用してメインウィンドウを生成。
- .geometry()メソッドを使用してメインウィンドウのサイズを300x200ピクセルに設定。
ラベル1の生成と配置
- tk.Label()を使用してテキストが”Label 1″で、背景色が赤のラベル1を生成。
- .place()メソッドを使用してラベル1をx=20, y=50の位置に、width=100, height=50のサイズで配置。
ラベル2の生成と配置
- tk.Label()を使用してテキストが”Label 2″で、背景色が緑のラベル2を生成。
- .place()メソッドを使用してラベル2を親ウィジェットの中央（relx=0.5, rely=0.5）に配置。anchor="center"を指定してラベル2の中心が指定された相対座標に配置されるようにする。
イベントループの開始
- mainloop()メソッドを使用してGUIアプリケーションをスタートし、ユーザーからのイベントを待ち受ける。

作成した全体のPythonコード

import tkinter as tk  # tkinterモジュールをインポート

root = tk.Tk()  # メインウィンドウを生成
root.geometry("300x200")  # メインウィンドウのサイズを300x200ピクセルに設定

# Label 1を生成し、背景色を赤に設定
label1 = tk.Label(root, text="Label 1", bg="red")
# label1をx=20, y=50の位置に配置し、サイズをwidth=100, height=50に設定
label1.place(x=20, y=50, width=100, height=50)

# Label 2を生成し、背景色を緑に設定
label2 = tk.Label(root, text="Label 2", bg="green")
# label2を親ウィジェットの中央に配置（relx=0.5, rely=0.5）
# anchor="center"により、ウィジェットの中心が指定された相対座標に配置される
label2.place(relx=0.5, rely=0.5, anchor="center")

root.mainloop()  # GUIアプリケーションをスタート

実行結果

先ほどのサンプルコードを実行すると以下のような画面が表示されます。

コードで記述したように、絶対、相対座標でラベルを表示できていることが確認できました。

このように座標指定することにより、gridやpackと比べ遥かに高い自由度でUIのレイアウトデザインをコントロールすることができます。

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まとめ

placeジオメトリマネージャは、tkinterでのウィジェット配置の一つの方法であり、絶対座標や相対座標を利用して、ウィジェットの正確な位置を指定できます。

xやy、relxやrelyによって位置を、widthやheight、relwidthやrelheightによってサイズを、anchorによってアンカーポイントを制御できます。

これにより、開発者はユーザーインターフェイスの各要素の配置とサイズを柔軟に、かつ、精緻に調整できます。この機能を使いこなすことによって、利用者にとって使いやすく、視覚的に魅力的なアプリケーションを開発することが可能になりますので、ぜひ活用してみてください。